ガバナンス

コンプライアンスを重視し社会的に公正な事業運営を行う

コーポレートガバナンス

効率的な業務執行を確保するとともに、企業経営の透明性を高めて社会の信頼と期待に応えることを実現するため、コーポレートガバナンス体制を整備しています。

コーポレートガバナンスコーポレートガバナンス

コンプライアンス

コンプライアンス運用体制

当社は、「予防」と「対処」の2つの観点からコンプライアンス施策を講じ、実効的なコンプライアンス運用体制の確保を図っています。

コンプライアンスコンプライアンス

クアンタン工場 RBA-VAPでシルバー・ステータス取得

お客様からの高まるCSRニーズを受けて、当社は2023年度よりResponsible Sourcingの一環として各工場におけるRBA-VAPを通じたCSRの自主的な評価を開始しました。前年度RBA-VAP監査を実施した当社マレーシア法人のクアンタン工場においては、前年度サステナブル工場を意味するシルバー・ステータスを取得しています。
前年度はまた、富士工場においてもRBA-VAP監査を11月に実施しており、指摘事項についての改善対応が進んでいます。RBAは、グローバルサプライチェーン全体で、労働者、環境、ビジネスの持続可能な価値を推進する企業連盟であり、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらにその事業活動が環境負荷に対して責任を持ち倫理的に行われていることを確実にするための基準をRBA行動規範として定めています。
クアンタン工場におけるシルバー・ステータス取得は、クアンタン工場がRBA行動規範に定められている労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステムの各項目を適切に管理していることが認められたものです。当社は今後も富士工場も含めてグループ全体での持続可能な工場を目指しRBA行動規範に沿った企業活動をより一層推進していきます。

欧州における企業サステナビリティ報告指令

2023年1月に発効されたEU域内の企業に対する「サステナビリティに関する情報開示を義務付ける指令(Corporate Sustainability Reporting Directive:以下CSRD)」に対応するため、前年度よりダイセルグループ全体でプロジェクトを発足しました。当社グループではドイツのTAP(TOPAS Advanced Polymers GmbH)が本指令の対象になり、2025年度分からのESG(非財務分野)に関する定量的データおよび定性的な記述の報告が必要です。
前年度はPhase 2および3に取り組み、CSRDで求められるESG(非財務分野)開示要求事項の把握、ダブルマテリアリティ(企業および社会へのインパクト評価)、ギャップ分析、開示までのロードマップの作成、初年度開示報告案の作成を行いました。 引き続き当社では、ステークホルダーの皆様への適切なサステナビリティ情報の開示に向けて積極的な取り組みを行っていきます。

責任ある鉱物調達

コンゴ民主共和国をはじめとする紛争地域(CAHRAs※1)における錫、タンタル、タングステン、金(通称:3TG)の採掘や取引から得られる利益は、重大な人権侵害を引き起こす武装勢力や反政府勢力の資金源となります。また、鉱山廃棄物による土壌や河川の深刻な汚染などの環境破壊に加えて、コンゴ民主共和国南部のコバルト鉱山は児童労働の温床となっているとも指摘されています。

当社を含むダイセルグループは、上述の国際的な懸念をはじめとするOECD Annex Ⅱに代表されるリスク※2を重要な経営課題と認識し、CSR調達アセスメントシート(SAQ)に加えて、紛争鉱物に特化した調査を行っています。

責任ある鉱物調達

紛争鉱物(錫、タンタル、タングステン、金)、あるいは同様に人権侵害などのリスクの関与が懸念されるコバルト、天然マイカ、銅、天然グラファイト、リチウム、ニッケルについて製造自体および製造過程で使用されている場合は、製品への残留状況の調査を行うとともに、原料サプライヤーに対しては定期的に紛争鉱物調査を依頼して、入手した調査結果を確認し、商品の原料として使用しないよう努めます。
また、原料サプライヤーから定期的に入手した調査結果に基づいて当社のCMRT※3およびEMRT※4情報の更新を行い、提供します。

  • ※1CAHRAs :Conflict-Affected High-Risk Areas、紛争地域および高リスク地域
  • ※2ANNEX Ⅱに代表されるリスク:OECDガイダンスに記載されているリスク、人権侵害、武装勢力への支援、みかじめ料徴収などの不法行為、贈収賄、鉱物の産地詐称、脱税など
  • ※3Conflict Minerals Reporting Template:使用する紛争鉱物の情報収集を、サプライチェーンを通じて円滑に行うための国際フォーマットです。
  • ※4Extended Minerals Reporting Template:対象鉱物をCMRTからさらに広げたフォーマットです。コバルト、天然マイカ、銅、天然グラファイト、リチウム、ニッケルが含まれています。

リスクマネジメント

リスク管理の推進

当社の事業を取り巻く多様なリスクに対応するため、CSR委員会を設置して定期的にレビューを実施しています。委員会では、リスクを「経営戦略リスク」と「業務リスク」に分類し、対応優先度に応じたリスク管理活動を展開しています。今後も、事業環境、社会情勢の変化に着目し、グループ全体でリスクの低減に向けた活動、対策に取り組んでいきます。
また、その運用の実効性を向上させるため、PDCAが十分に回っているか、運用上の課題がないかを各部門および各グループ会社に確認するヒアリングを実施しています。今後もより良い仕組みの構築を目指していきます。

リスクマネジメント

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)

当社では、南海トラフ地震や首都直下型地震などを想定し、事業継続のためのBCP基本文書および各種マニュアルを策定しています。またこれらに加え、実際に発生したサイバー攻撃や工場停電などに対する会社としての対応記録を作成し、今後類似の事象が発生したときに備え、事業の早期復旧・継続を図ることができるような体制整備も行っています。

内部統制

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当社は、「内部統制システム構築の基本方針」を定めています。この方針に基づき適正な業務運営の確保を図るとともに、毎年グループ全社で自主監査を実施し、各部門および各グループ会社に対して、各組織の内部統制が有効であることを保証する報告書の提出を求めています。また、内部統制の有効性を評価する内部監査を定期的に実施するとともに、親会社であるダイセルと協力してグローバル監査体制を敷き、監査品質の向上も図っています。