近年のグローバル化の潮流の中、企業にとっては多様な人財の確保が不可欠になっており、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下「DE&I」)に対する取り組みが一層重要になってきています。
ダイセルグループでもDE&Iを重要経営課題の一つとして位置づけ、多様な従業員一人ひとりが個々の能力と個性を最大限に発揮して活躍できる仕組みづくりを行っています。
2024年度は、従業員一人ひとりがさらにDE&Iの理解を深め、より身近な形でダイバーシティについて考えることを目的として、新たに「ダイバーシティウィーク」を開催しました。
このダイバーシティウィークでは、講演会や研修、部内での意見交換会など多様なイベントを開催し、従業員に多様な視点からDE&Iについて考える機会を設けました。その一例をご紹介します。
身体にハンディキャップのある方々への理解や従業員間交流を目的として、ブラインドサッカー体験会を実施しました。
人は情報の8割を視覚から得ていると言われています。その視覚を完全に遮断して行うブラインドサッカーは、声や音、仲間への信頼を頼りにプレーするため、コミュニケーション力やチームワークが問われるスポーツでもあります。参加者からは「コミュニケーションについて改めて考えて理解するきっかけになった」「自分のことを知る、相手のことを知る、とてもよい体験でした」などの声が寄せられました。この体験会にはブラインドサッカーの選手としても活躍するダイセル従業員を含む、ダイセルグループの各部門から16人が参加しました。
ダイセル社外取締役の岡島眞理氏によるDE&Iとキャリアに関する講演会を開催しました。岡島氏には、リーダーとしての心得や、女性活躍をメインにダイバーシティの在り方について講演いただきました。オンライン、オフライン両方のハイブリッド形式で開講し、265人の従業員が参加しました。
ダイバーシティウィークでの取り組みに加えて、当社独自の取り組みとして仕事と育児の両立体制の充実を図ることを目的に、2024年度より新たにこども家庭庁の事業を活用したベビーシッター利用料補助制度を開始しました。
私と妻ともに子育てとキャリアを両立したいという思いから、本制度を利用しています。多忙な時は、妻の実家に子育てをお願いすることもありますが、どうしても都合がつかないタイミングがあります。その際にベビーシッターにお願いできる選択肢が増えたことで、精神的なプレッシャーも軽減することができました。
初めての利用で多少の不安がありましたが、利用方法について詳細な説明があったことに加え、ベビーシッターを選ぶ際も面談ができ安心して利用できています。
当社はこれからも、誰もが公平に挑戦する機会を得られるようダイセルグループ全体でより高いレベルで価値共創の輪を広げていきます。
当社では、性的マイノリティの従業員が不利益や差別を受けずに働くことができる職場環境を目指しています。 2024年度は、前年度に引き続き性的マイノリティに関する基礎知識を習得するためのLGBTQセミナーを全従業員対象に開催しました。
ダイセルグループとして実施した東京本社ファミリーデーの際には、参加した従業員とそのご家族に向けてLGBTQをテーマにした絵本の紹介も行っています。
また、ダイセルグループ全体で開催したダイバーシティウィークの複数の社内イベントにおいて、アライを意味する虹のデザインを入れたオリジナルパッケージのお菓子を参加者に配布し個々の違いを認め合いながら働くことの大切さをアピールしました。
当社は今後もすべての従業員が、互いを認め尊重し合い働くことができる職場づくりに向けて取り組みを進めていきます。
当社では、多様な人財が活躍でき、幸せを感じながら働くことができる職場を目指しています。その基盤として、有給休暇を取りやすい仕組みづくり、復職・再雇用制度、育児休業、介護休暇といった制度の整備・充実などに努めています。
2024年度の育児休業取得率は女性100%、男性90.9%となりました。男性の育児休業取得率は全国平均と比べ60.8ポイント上回っています。
2024年度の障がい者雇用率は2.38%となり、法定雇用率2.5%を下回る結果となりました。ただし、法定雇用率達成に向けた採用活動を継続し、2025年3月末時点の単月における雇用率は2.73%まで改善しています。
今後も地域の特別支援学校だけでなく障がい者支援団体との情報交換も行い、採用活動をより広く展開するとともに、知的障がい者以外の身体障がい者の方々の採用も積極的に行っていきます。